2台のRAID 1は、二つの空き部屋を足す使い方ではない
RAID 1は各ドライブに同じデータを書き込む方式です。Synologyの入門ガイドでは、2台の構成で利用可能容量を合計の50%、耐障害性を1台として示しています。旧版のStorage Manager資料でも、容量の基準は構成する最小ドライブと説明されています。Synology:NAS入門、Synology:RAIDの基本概念(DSM 6.2.3資料)
同容量2台で概算するなら、次のようになります。ここでのTBはドライブに書かれた十進の公称容量で、管理領域などを引く前の比較値です。
| ドライブ構成 | 公称容量の合計 | RAID 1での容量の基準 |
|---|---|---|
| 4TB+4TB | 8TB | 4TB相当 |
| 6TB+6TB | 12TB | 6TB相当 |
| 8TB+8TB | 16TB | 8TB相当 |
この表は方式の計算例です。個別NASでそのドライブ容量が使えるという互換性表ではありません。
管理画面の空き容量は、もう一段小さくなる
SynologyのRAID計算機は、システム用予約領域と、ボリューム作成時にメタデータ用の領域が必要になると説明しています。実際にファイルを保存できる容量は、計算機の推定値より少なくなる場合があります。Synology:RAID計算機の注意書き
ここでは「4TBが何GiBと表示されるか」という単位の換算と、予約領域で使える量が減ることを混ぜないようにします。さらに写真などを保存した後の空き容量は、使用済みの量も差し引いた値です。
購入前の概算、構築後の利用可能容量、保存後の空き容量は、それぞれ違う段階の数字になります。
今ある写真だけでなく、増える量を足す仮想例
次は編集部が作った仮想例です。現在のデータが十進換算で3TBあり、今後は毎年0.4TBずつ増え、3年間残したいとします。
3TB+0.4TB×3年=4.2TB
この条件では、4TB×2台のRAID 1は、管理領域を考える前から不足します。「ドライブを合計8TB買うのだから余裕がある」という判断はできません。
ただし0.4TBは平均的な家庭の実測値ではありません。自分の1年分の増加量で置き換えてください。動画の撮影方法を変える予定があるなら、過去の増え方が今後も続くとは限らない点もメモします。世代付きバックアップを同じ機器に保存する計画なら、その使用量も別に見積もります。
ミラーがあることと、別のコピーがあることは違う
RAID 1の説明は、ドライブ故障に備える仕組みです。一方、Synologyのバックアップ方針は、コピーを複数持ち、媒体や保管場所を分けることを案内しています。Synology:バックアップとデータ保護
編集上の判断として、同じNAS内部のミラーを「別の場所にある復元用コピー」と数えないことが大切です。NAS全体を失った場合、内部に何台入っていても、その機器の外に保存していなければ取り出せません。昨日の状態へ戻したい場合には、過去の版を残す仕組みと保存期間も必要です。
購入前は「使いたい容量」と「どこから復元するか」を二行に分けて書きます。容量の合計だけで安心を判断せず、復元先の候補と、試しに一つのファイルを戻して確認する予定まで立てると、保存計画の不足が見えます。
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情報は2026.10.10時点で確認しています。価格・仕様・安全情報は変更される場合があります。