「アイドル」は、画面を消して寝かせた時間ではない

JEITA測定法3.0は、動画再生時とアイドル時をそれぞれ表示します。ASUSの同測定法の説明では、動画ファイルを全画面で連続再生する条件と、指定の壁紙を表示したデスクトップのまま放置する条件を分けています。ASUS:JEITA 3.0の測定内容

そのため、アイドル時の長い時間を、会議・文書作成・ブラウザー操作を続けられる時間と読むことはできません。動画再生値についても、ローカルファイルの再生という測定条件を、通信やカメラも使うオンライン会議へそのまま当てはめないでください。

同じ型番に三つの時間が載る例がある

dynabookの公式一覧では、R9/Wの型番P1R9WPBLについて、次の値が併記されています。現行の販売状況やおすすめ機種を示すものではなく、仕様の読み方の実例です。dynabook:JEITA測定法による駆動時間一覧

測定法と条件掲載値
JEITA 2.0約24.0時間
JEITA 3.0・動画再生時約10.0時間
JEITA 3.0・アイドル時約23.5時間

「24時間だった電池が10時間に劣化した」という読み方にはなりません。同じ型番の測定条件を変えた数値が並んでいるからです。

JEITAは、2.0と3.0では条件による消費電力の変化が一律でないため、旧値から新値を計算で換算できないと説明しています。2.0は動画とアイドルの平均値を使っていましたが、それは3.0の二つを平均すれば2.0へ戻せるという意味でもありません。JEITA:測定法3.0 Q&A、Q4〜Q8

平均16.75時間と計算しても、仕事の予測にはならない

上の二つを算術平均すると、(10+23.5)÷2=16.75時間、つまり16時間45分です。計算自体はできます。しかし、これは二つのカタログ値の平均にすぎず、「動画を半分、仕事を半分する日の持続時間」を測った結果ではありません。

例えば、仮想の候補Aが動画10時間・アイドル23.5時間、候補Bが動画12時間・アイドル18時間だったとします。アイドル欄ではAが長く、動画欄ではBが長くなります。片方の大きい数字だけを抜き出して「Aのほうが常に長持ち」と結論づけることはできません。

比較表には、同じ版の測定法の二つの値を、型番と一緒に残します。バッテリーパックや画面などの構成が違う製品は、商品名が似ていても同じ行として扱わないようにします。

外出時間と、電源なしで動かす時間を分けて予定する

次は編集部による仮想の予定です。

家を離れるのは9時から17時までの8時間でも、PCを使う予定が会議1.5時間、資料作成2時間、移動中の閲覧0.5時間なら、予定している稼働は合計4時間です。さらに、会議が延びる可能性や、充電できる場所があるかを別に書きます。

この4時間をカタログの10時間から引いて「6時間余る」とは判断しません。作業の種類が測定条件と違うからです。代わりに、すでに持っているPCなら普段の似た作業で、開始・終了の残量と時間を記録します。購入前で手元にない場合は、その未知の部分を残して電源を確保する計画を立てます。

JEITAは数値をメーカー間の比較指標の一つと位置付けています。仕様表は同条件の候補比較に、実際の行動予定は必要な作業時間の整理に使うと、それぞれの数字が答えられる範囲を保てます。特定機種の実働時間、劣化した電池の状態、オンライン会議での持続時間は今回測定していません。

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情報は2026.10.07時点で確認しています。価格・仕様・安全情報は変更される場合があります。